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Interview
高橋寿美子 おむすびと

趣味も仕事もすべてが人とのご縁。私は生産者と消費者を繋ぐ「結び屋」

高橋寿美子

取材日:2020.08.25

キッチンカーでおむすびを結ばれている先駆者の、おむすびすみす高橋寿美子さんにお話を伺いました。

おむすび事業のきっかけ

にっちゃん

Nicchan

本日はお忙しいところ、お時間作っていただき
ありがとうございます。
やっとお話出来ます!!!
よろしくお願いします。

にっちゃん

Nicchan

なんだかお洒落な雰囲気の背景なのですが、今いらっしゃるのはご自宅ですか?

高橋さん

Ms.Takahashi

いえ、ここは食材の仕込みをする場所です。

にっちゃん

Nicchan

なるほど!ご自宅とは別に仕込み場所があるのですか?

高橋さん

Ms.Takahashi

はい。
キッチンカーの車内では軽微な調理までと決められています。自宅で調理したものを販売することは認められていないので、飲食店の営業許可を取得した店舗で具材の仕込みなどをしています。

にっちゃん

Nicchan

そうですよね。
仕込み場所で仕込んだ具材をキッチンカーでむすばれているのですね。

早速キッチンカーのお話になりましたので、このままそこについて伺っていきたいと思います。

にっちゃん

Nicchan

今のおむすび屋さんを始められる前はお米に関するお仕事をされていたと、他の記事で拝見したのですが。

高橋さん

Ms.Takahashi

はい。
お米屋さんで店長をやっていました。

にっちゃん

Nicchan

お米屋さんからおむすび屋さんに行き着くまではどういった心境の変化があったのですか?

高橋さん

Ms.Takahashi

お米に興味を持つきっかけや、全国のお米を教えてくれたのはお米屋さんだったんですけど、そこからおむすびに行き着いた経緯はまたちょっと違うんです。

実は、関西でモーニングの文化に触れたことが関係しているんです。

にっちゃん

Nicchan

え!?気になる!!

高橋さん

Ms.Takahashi

関西では外で朝ご飯を食べるモーニングの文化がありながら、当時は神戸におにぎり屋さんが一軒もなかったんです。
北海道ではおにぎり屋さんを始め、セイコーマートのホットシェフのように手結びのおにぎりがいつでも買える環境が普通にあります。
手軽なモーニングが日常にある関西でおにぎりは絶対ニーズがあるはず。
ご飯はみんな大好きでしょうし。それでおにぎり屋さんをやりたいと思うようになりました。

以前勤めていた釧路のお米屋さんがおにぎりの販売も始めていて、札幌に新規出店するにあたり、店長として入社しないかという話がありました。私はある程度お米の知識もありましたし、おにぎりの販売について勉強させていただけるということで再就職しました。

にっちゃん

Nicchan

おにぎり屋さんになるきっかけは関西にあったのですね!



キッチンカーという選択肢

にっちゃん

Nicchan

おにぎりの販売について学ばれていった中で、最終的にキッチンカーというスタイルに行き着いた経緯はどのようなものだったのでしょうか。

高橋さん

Ms.Takahashi

私が住んでいる恵庭市にはすでに一軒おにぎり屋さんがあり、そこと競合する気は全くなく・・・。

ここでやりたい!という場所もなくて、どこでやろうかな〜と思っていたときに、旅人の友達からキッチンカーでやったらおもしろいんじゃない?って言われて。

それまで店を借りることばかり考えていたのですが、キッチンカーもありだなぁーと思い、そこからキッチンカーについて色々調べました。

高橋さん

Ms.Takahashi

キッチンカーでおにぎりの製造販売というのは当時前例がなかったんです。
ですので保健所に何度も足を運び、相談しながらだったので時間がかかりました。

にっちゃん

Nicchan

そうですよね。
以前、私たちも移動しながらおむすびを提供するイベントをやりたいと思って調査したのですが、車内炊飯や、加熱処理をしていない食品の提供というところがネックになっていました。

高橋さん

Ms.Takahashi

保健所の許可は地域によって全然違うんです。
時々、キッチンカーでおむすび屋をやりたいという相談をいただくことがあるのですが、地域で全然違うのでまずは保健所に相談することをオススメしています。

にっちゃん

Nicchan

確かに。
キッチンカーとなると、営業地まで運転して、おむすびをむすんで販売、運転して戻って片付け、翌日の仕込みと大変だと思うのですが全てお一人でやられているのですか?

高橋さん

Ms.Takahashi

ほぼ一人でやっています。
催事出店や忙しい時など友人に手伝ってもらうこともあります。

にっちゃん

Nicchan

このスタイルをワンオペレーションでこなすのは相当すごいですね。
私も出張おむすび屋をやっているのですが、このスタイルを一人でやるのはどう考えたって難しくて、、
特に炊飯が。。。

高橋さん

Ms.Takahashi

そうなんです!!!!
ご飯ってパッとやってパッと炊けるものではないので、ご飯なくなるよ〜!!って焦ることはよくあります。

にっちゃん

Nicchan

なぜ、むすびたてを提供するというスタイルを選ばれたのですか?

高橋さん

Ms.Takahashi

メニューが30種類くらいあるので、衛生面含め作りおきが難しいんですよね。
前にイベントで作って持って行ったことがありますが、どうしても売れ残りが出てしまう。
それより、やっぱり美味しいのは結びたてだよなーって。


きっかけは人とのご縁

にっちゃん

Nicchan

おむすび漬けな毎日ですが、お休みだったりおむすびに触れていない時はどんなことをされてらっしゃるのですか?

高橋さん

Ms.Takahashi

以前は休みの日には釣りに行ったり、ラリーのスタッフ業務で全国飛び回っていました。
最近はおむすび漬けの毎日で全然行けてないのですが(涙)

にっちゃん

Nicchan

ラリーのスタッフ??
どういった背景で興味を?

高橋さん

Ms.Takahashi

取引先のおじちゃんに週末暇?と聞かれて、連れて行かれたのが日高の山奥。
言われるままカードに時間を書いたり記録していましたが、それは全日本ラリー選手権でした。
また手伝ってくれない?と言われて行ったのが十勝24時間耐久レース。コース脇の小屋で旗を振るお仕事でした。
当時、車に全く興味がなかった私はなんとなく言われるままやってましたが、ピットなどで壊れた車を必死に修理して完走させようとするメカニックの方々の姿に、私もしっかりしなきゃ…と思い、競技のルールなど覚えました。

その後、JAFの公認審判員のライセンスを取り、今は審判員では最上級のA1(コース)のライセンスも持っています。

にっちゃん

Nicchan

本当に全てが人との縁がきっかけになっているんですね。

高橋さん

Ms.Takahashi

そうですね。人のご縁がきっかけで私の趣味や仕事、経験値が広がっています。
社会人になった頃は自分が何をやりたいのか、できるのか全然わかりませんでしたが、ようやく自分がやりたいことが見つかり、それを仕事にできているので結果オーライですね。

高橋さん

Ms.Takahashi

釣りが趣味なので、自分が釣った魚で季節のお魚のおむすびを出そうと思っていたのですが、最近は全然釣りに行く時間が作れず、釣り友からもらってばかり。
オープン当初は自分で釣ったニシンの塩焼きやホッケの粕みそ漬けのおむすびも出してたんですよ。

にっちゃん

Nicchan

もう聞いただけでよだれ出そうです。。。

にっちゃん

Nicchan

おむすび屋さんをやめようと思ったことはないですか?

高橋さん

Ms.Takahashi

ないですね。
最初はおむすびで全国の美味しいものを気軽に手軽に食べて欲しいと事業を始めました。
今はそれに加えて、おむすびを通して人と人であったり、人とモノ、人と場所を結ぶ無限の可能性を感じています。

遠くに旅行するのは難しくても、おむすびを食べてその土地を感じることができます。
うちのおむすびを食べて、小豆島ってどんなところなんだろう、行ってみたいなぁーと興味を持ってくれたり…。

そうそう糠ニシン、子供の頃よく食べさせられたなぁーと昔を懐かしんだり…。

この具材美味しい!買って食べようと購買意欲に結びついたり…。
何かのきっかけやご縁に繋がると嬉しいですね。

毎日早朝から深夜まで働いてハードな毎日ですが、「美味しかった」という言葉が何よりのご褒美です。
最近では水色のキッチンカーを見るなり、子どもが「おにぎり食べたーい」という光景を何度も目にしてほっこりしています。

ただ…この生活を何年も続ける自信はないのでもっと効率よくする方法はないかと日々思案しています。

にっちゃん

Nicchan

将来的に固定店舗で、というのは考えていないのですか?

高橋さん

Ms.Takahashi

考えていないこともないですね。
必ずおむすびを買えるという場所があるのはお客様にも喜んでいただけるので。近隣の方からもお店でおむすび売らないの?と言われています。
キッチンカーと店舗の両立は難しいですが前向きに考えています。

にっちゃん

Nicchan

やっぱりそこも『縁』ですね。

にっちゃん

Nicchan

おむすびをむすぶときにこだわりはありますか?

高橋さん

Ms.Takahashi

こだわりを持っているのは生産者さんたちです。
私はただそれを結ぶだけなので、こだわりはありません。
ただ、その食材を美味しく召し上がっていただきたいので、具材によって結び方を変えたりしています。

にっちゃん

Nicchan

主体は生産者さんなんですね。

高橋さん

Ms.Takahashi

そうですね。
私は生産者と消費者を繋ぐ「結び屋」です(笑)

にっちゃん

Nicchan

きっとこれからもずっと、おむすびに関わられていくんだろうなぁとお話を伺っていて感じるところがあるのですが、今後どうしていきたいですか?

高橋さん

Ms.Takahashi

今後は効率良い仕組み作りをして、私は手離れしていきたいです。
持病などで働く意欲はあるのに働くことができない方など、障がいの有無に限らず就業しにくい方たちが働く環境を作りたいと思っています。役割分担をして、それぞれできることをしてもらう。私は裏方に徹して得意分野の広報宣伝や販促に徹したいですね。

人が好きなので時々店頭には立ってると思いますけど(笑)

にっちゃん

Nicchan

最後に高橋さんにとっておむすびとは?

高橋さん

Ms.Takahashi

ご縁ですね。
おむすびを通して生産者さんとも繋がれるし、消費者とも繋がれるもの。

にっちゃん

Nicchan

ありがとうございました!
お話が伺えて良かったです。

高橋寿美子 おむすびと
名前 高橋寿美子
所属 おむすびすみす
出身地 北海道
活動エリア 北海道内一円
好きなおむすび ポークたまご
好きなお米 青天の霹靂、ささ結

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オンラインでの取材ではありましたが、とっても明るく、お話をしていて人を惹きつける人だなど感じました。
おむすびすみすさんへ伺い、高橋さんに会うためだけに北海道旅行計画したい!

インタビュー&編集:にっちゃん

取材日:2020.08.25

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