
食べることが苦手な子どもが大人になって食育とおむすび屋さんを始めた理由とは
長島真理子
取材日:2020.09.09
クレヨンしんちゃんの街、埼玉県春日部市で「おむすびcafe空と糸」を営むOMUSUBITO、長島真理子さん。
食育活動も積極的に行なっていてお店だけの活動にとどまらない長島さんは、良い意味で人を巻き込むパワフルさを持ちながらも、押し付けがましさなどは一切なく、自然体な魅力を持つ方でした。
実際の取材時は、盛り上がって2時間くらいお話させてもらいましたが、今回は、おむすび屋さんになるまでの経緯と、なぜ、おむすびを選んだのかを聞いていきます。
食べることが嫌いな子どもだった

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
そこらにいるおばちゃんですよ。笑
よろしくお願いします!

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
まずは、この「おむすびcafe空と糸」は2019年12月9日にオープンということですが、おむすび屋さんを始める前は、どんなことをされていたんですか??

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
ん〜、どこから話そう?

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
どこからでも!

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
まず、私は幼稚園の先生だったんです。
で、もっとさかのぼると、食べることが苦手な子どもだったんです。

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
食育活動もされていて、今おむすび屋さんもやっている方が、もともと食べるのが苦手な子どもだったなんて驚きです!

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
私が幼稚園に通っていた時は、お弁当だったんですけど、そのお弁当はおばあちゃんが作ってくれてたんですね。
それで、好き嫌いはないんだけど、お弁当箱を開けると胸がいっぱいになっちゃって帰りたくなっちゃうこどもだったんです。

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
お弁当箱を開けると帰りたくなっちゃう?

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
そう。お弁当箱を開けると、作ってくれたおばあちゃんを思い出してしまって、おばあちゃんに会いたくなって、それで帰りたくなっちゃうんです。
お弁当を見たくないから、脱走してみたり、お弁当隠してみたり、いろんなことしてたんですけど、そんなのは先生に見つかっちゃうので、結局見つかって、シクシク泣きながら食べてたんです。

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
へ〜!おもしろい。好き嫌いがあったわけじゃなく、そういう理由でお弁当が食べられなかったんですね!

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
そうなんです。
そんなお弁当生活を送っていたので、お昼ご飯の時間が苦痛になってしまってたんです。
そして今度は、小学生になると給食になったので、お昼に、おばあちゃんを思い出すことはなくなるんです。
でも当時、身体が小さい方だったので、今度はみんなと同じ量が食べられない問題にぶつかるんです。
そうなると、当時でいう残弁組ですよ。それで、そういうのってやだなぁ〜って思ってたんですね。

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
確かに、昼休みまで給食を食べてる子っていましたね。

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
そんな経験がありながら、大人になって幼稚園の先生になってみたら、「全部食べたら偉い文化」が、いまだにずっと続いてるってことに気づいたんです。
だから、ピカピカに食べたら、例えばシール貼っていいよ〜とか。手にハンコ押してあげるよ〜とか。
その、すべて食べ尽くすことが偉いっていう、100点!みたいな評価の仕方がすごい違和感があって、食べられない子の気持ちがわかるだけに、この子が食べられないのは好き嫌いがあって食べないわけじゃないって。
でも世の中のお母さんとか若い先生たちの中には、「好き嫌いがあって、嫌いだから食べないんでしょ〜」っていう考え方が割と主流だったんです。
違うんだよ!っていう思いがあって、例えば、夕方なら食べられるかもしれないし、お家なら食べられるかもしれないし、もしかしたら、お皿を変えたら食べられるかもしれないとか、そういうモヤモヤをずーっと持ってたんですね。
そういう経験がある中で、幼稚園の次は幼児教室で働いたんですが、そこで、今でいう食育活動を仕事にし始めたんです。

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
なるほど!
そして、そこから、今は「おむすびcafe空と糸」ですね。

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
実際には、幼稚園に再就職したり、そのあとに幼児教室でまたお世話になったり、独立してこども向けの料理教室をしたりと色々と経てますけど、幼稚園の先生から始まって、食育活動もするようになって、そして今に繋がってますね。

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
そういう流れの中で、ご自身のお店をやることを決めるときに、なぜ、『おむすび』だったんですか?

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
保育的な理由なんですけど、お茶碗のごはんではなく、あえて『おむすび』で出したかったんです。
まりこさんの結んだおむすび

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
おむすびで保育???

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
口を閉じない小さい子が多いんですよ、今。ポカーンと口をあけて。
お母さんたちが、離乳食や幼児食を食べさせるときに、綺麗に食べさせることは上手なんですね。よごさないように。
でも、こどもの自由に食べさせたがるお母さんがすごく少なくて。でも、保育的な考えでいうと、手は使って欲しいんですよ。
それができる食べ物って、おむすびとか、おせんべいとか、手で持って食べられるもの。
手から口へはこぶ、で、それを自分の口の中でちゃんと咀嚼できる量を前歯でかじりとる。
このかじりとるが、すごい欲しかったの。

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
かじりとるのがポイントなんですね!

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
口の中にお母さんにスプーンで食べさせてもらっている子って、上顎にスプーンをこさげてとるので、自分の口で取りにいかなくても、口の中に食べ物がある状態ができあがるんですね。だから、あとはもごもごだけすればよくなっちゃうんですね。
この、かじりとる動きが、舌の動きとか、上顎とかを使って、加減を自分でするようになるんですよね。
で、この動きが、将来的な、発音、滑舌につながるってことを歯科衛生士さんから教わって、これはぜひやってあげたいって思ったんですよ。
その子がきちんと、舌を作って、喋られるかどうかは一生ものじゃないですか。だったら、それが育つ時期に口を使って、手を使って食べさせたいと思ったんです。
だから、おむすびにしたんです。

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
ほー!知られざる、おむすびの力ですね!
やっぱり、保育の経験があって食育活動をされている、まりこさんならではの理由でした。
春日部の食育の拠点

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
今後は、どんなお店にしていくんですか??

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
今のまま、ゆるっとしてられればいいかな〜って。
このお店が居心地がよくて、まったりしちゃうんです。
職場といえば職場なんだけど、ホッとする場所で、この先もこのままでいたいなって思うんです。
毎日、そこそこに、つぶれない程度にはお客様もきてくださっているので。

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
居心地が良いからこそ、お客さんもきてくれるんでしょうね!

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
でも、あえて、何がしたいんですかと具体的に言われれば、
ここにきた理由のひとつが、春日部の食育の拠点になりたいと思ってきたので、ちゃんと拠点として、根を張って、花を咲かせていきたいとは思いますね。
例えば、親子ランチ会をやって、こどもたちの食べ方をみて、『ここをこうしたら、楽になるかもね!』とか、『この子には、これはまだ早いんじゃない?』とか、そんな話をしたいですね。
普段も、好き嫌いの相談とか、とても相談をうけるんですね。
『〇〇をこどもが食べないんです』って聞かれたら、どうやって食べさせてるのか聞いて、なにやっても食べないから、刻んでまぜちゃうっていうので、『自分だったら何が入ってるかわからない闇鍋を食べたい?』ってお母さんに聞くんです。
『怖くない??なにが入っているか分からないものを口に入れられるの?』って話をすると、『あ!そうか〜!』って、気づきを与えたりとか。
そういうキッカケづくり、をいっぱいしていきたいな〜と思いますね。

おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
まりこさんの魅力があれば、人がたくさん集まるから、キッカケもたくさん生まれそうですね!
まだまだ聞きたいことがたくさんあるんですけど、今日はここまでにして、また第二弾でお話聞かせてください!
今日はありがとうございました!

まりこさん(空と糸)
Ms. Nagashima
私の話でよければ、ぜひ。
ありがとうございました!
musubi_memo
文字だけだと伝えきれないのですが、インタビューしていて感じた印象が「強くて、しなやかな女性」そんな印象でした。
ちょっと自分が精神的に弱ったりしたら、おむすびcafe 空と糸にいって、まりこさんに会って、エネルギーを注入してもらいたいな、そんな風に思ってしまうような、とってもパワーを持っている方でした。
今回は、たくさん話を聞かせてもらったので、続編も書くことにしました!続編もお楽しみに。
インタビュー&編集:おむすびマンくぼ田
よろしくお願いします!
今日は、まりこさんの人柄が知れる時間になればなと思ってます!