紅茶の専門家がおむすび屋さんの店長に、そして再びお茶の世界へ。
竹田勝平
取材日:2020.08.07
お茶の専門家として働き、お茶の専門店で店長も務めていた竹田勝平さん。お茶だけの世界ではなく、他の世界を見てみたいと選んだのがおむすび屋さん。そんな竹田さんが、おむすび屋さんで店長としてお店を切り盛りしながら体験してきたことや、これからやっていきたいことなど、そんなお話を伺いました。
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
竹田さん
Mr.Takeda
はい、よろしくお願いします!
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
竹田さんは、おむすび屋さんの店長を最近までやってましたが、メインはお茶の専門家なんですよね?
竹田さん
Mr.Takeda
そうですね。
もちろん、日本茶についても詳しいんですが、一番の専門は紅茶なんです。
お茶のワークショップで講師をする竹田さん
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
紅茶だったんですね。そのキッカケはなんだったんですか?
竹田さん
Mr.Takeda
大学時代に銀座にあるワインをメインにした飲食店で働かせてもらっていたんです。
そこで、最初はソムリエさんからワインについて学んでいたんですが、そのソムリエさんが、においだけで何のワインか分かるほどのすごいレベルの高い方で、それをそばで見ていたので、ワインはハードルが高すぎるな〜って感じちゃったんです。笑
そのときに、お店で紅茶も出していて、紅茶についてもそのソムリエさんから教えてもらっていて、
気づいたら、紅茶をすごい好きになっていたんです。
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
飲食店で働くことはもともと興味があったんですか?
竹田さん
Mr.Takeda
当時、大学生で、そのときはロボットが好きで大学ではプログラミングを学んでいたんです。
プログラミングって、自分一人の時間が長くて、そこで人恋しくなっちゃったんですよね。笑
それで、人と話したりする時間の多い飲食店でアルバイトしてみようとなったのがキッカケなんです。
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
お茶との出会いは、偶然の出会いだったんですね!
そこから、銀座のお店で経験を積んでいったんですか?
竹田さん
Mr.Takeda
その後、銀座のお店は退職して、吉祥寺にあった茶の愉というお茶の専門店で働きました。
20代は、このお店で10年ほど働いてましたね。
このときに、お店に来るお茶農園の人と仲良くなって、実際に農園に行かせてもらったりしてたんです。
農園に行った時に、お話を聞いたり、一緒にお茶を作ったり、そういうことをするうちに、どんどんお茶もそうですし、
農園の人たちのことも好きになっていって、ハマって行った感じですね。
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
そこまで、お茶好きになっていったのに、なぜ、おむすび屋さんの店長になったんですか?
竹田さん
Mr.Takeda
お茶を10年くらいやったタイミングで、周りがお茶業界の知り合いばっかりになってしまっていたので、一旦、お茶を離れてみようと考えていたんです。
そんなタイミングで、もともと繋がりのあった農家さんがおむすび屋さんもやるということで話をもらって、おむすび屋さんをはじめることになったんです。
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
そこから、2年ほど日本橋にあるおむすび屋さんで店長をやられたということですけど、どうでしたか?
竹田さん
Mr.Takeda
まずは、いろんな業界の人と話せたのでよかったです。
その日本橋のおむすび屋さんは、二人の共同代表がいるんですが、その二人の繋がりもあって、いろんな方が来てくれるお店なんです。
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
まさに、竹田さんがお茶業界を一旦離れる目的が達成できてますね。
『おむすび』に真剣に向き合うというのも初めてだったと思いますが、どうでした?
竹田さん
Mr.Takeda
おむすびってこんな大変なんだ!って思いました。笑
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
具体的に言うと、どんな大変さがありました?
竹田さん
Mr.Takeda
なんでも、料理って出来立てが美味しいと思うんですけど、
おむすびって、もしかすると、お寿司以上に、その場で食べてもらうことが美味しいんだなって感じたんです。
美味しい状態でおむすびを食べてもらうという部分で、苦労しましたね。
おむすび屋さんで働く前は、おむすび=手軽、日持ちする、そんなイメージだったんですが、真逆だったんです。
ベストな状態で提供しつづけることって、簡単じゃないんだなって実感しましたね。
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
想像以上に奥深いものだったってことですね。
竹田さん
Mr.Takeda
やっぱり、なんでも追求すると奥深いんだなって思いましたね。
お茶業界に戻ってこれからやりたいこと
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
そして、今年からは、またお茶の業界に戻って来たんですよね?
竹田さん
Mr.Takeda
そうですね。
2019年の年末に、父が倒れてしまって入退院を繰り返すことになったんです。
介護もしたいなと思ったんですが、ちょうどおむすび屋も2号店出す準備のタイミングと重なって、かなり忙しい時期だったんです。
そこで時間を作れるように、1号店も2号店と同時に店長を募集してもらって、そのおむすび屋さんからは離れさせてもらう形になったんです。
20代のときに働いていた茶の愉時代から埼玉県の狭山市のお茶屋さんとの関わりが多かったんですが
そういう繋がりの中から、今は狭山のお茶を盛り上げようとしているSAYAMA TEA STYLEで働いています。
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
おむすびの経験も加わったわけですが、今後はどんなことをしていきたいと思っているんですか?
竹田さん
Mr.Takeda
食とマッチングさせながら、お茶を広めて行きたいなと思っています。
僕にとっての、紅茶の先生がいるんですけど、その紅茶の先生が昔から、飲料は食に比べて人を惹き込みにくいと言っていて。
例えば街中で、『美味しいケーキがあるから来てください!』とPRするのと、『美味しい紅茶があるから来てください!』とPRするのでは、
やっぱり多くの人は、ケーキに惹かれると思うんですよね。
なので、おむすびもそのマッチングのひとつとして絡めていけたらいいなとは思っています。
“例えば、お茶だと茶殻が出るんですが、茶殻ってビタミンとか栄養たっぷりなので、
それを佃煮にしたり、一緒にご飯を炊いたりしたり、そういうのも取り入れられたらいいな〜とは思いますね。”
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
美味しいお茶も飲めて、それを使った美味しいおむすびも食べられたら最高ですね!
竹田さん
Mr.Takeda
あと、小学生や中学生の若い世代にに急須でお茶を入れるということを教えて行きたいなとも思っています。
小さい頃に学んだことって、大人になっても、なんとなく出来たりするじゃないですか。
あとは、家で、こどもやお孫さんが急須でお茶を入れる姿を見たら、それに影響されて大人も急須を使うようになると思うんですよね。
古き良きを大事にしつつ、新しいこともやっていけたらなと思ってます。
あとは、プライベートなやりたいことですが、妻と一緒に様々な美味しいものを食べて行きたいですね!
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
素敵ですね。
最後に、竹田さんにとっての、お茶とおむすびの魅力を教えてください。
竹田さん
Mr.Takeda
お茶は、どんなひとでも楽しめることが魅力ですね。
もしお茶を楽しめていないんだとしたら、それはきっと楽しみ方を知らないだけ。
お茶はお酒としても楽しめるし、食べ物の価値をあげるものとしても楽しめるし、
お茶そのものを楽しむこともできるので、お茶の楽しみを知らない方がいるならぜひ僕のところに来て欲しいです。
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
『どんなひとでも楽しめる』って、いいですね!
おむすびはどうですか?
竹田さん
Mr.Takeda
おむすびは、一期一会なところが魅力だと思いますね。
例えば、地方にいったときにも、小さいおむすび屋さんとかあるんですよね。
そういうお店に入ったときに、一期一会で、ここのおむすびはこんな感じなんだ!っていう発見があるのが魅力に感じますね。
おむすび屋さんで働く前は、手軽さがおむすびの魅力だと思っていたんですが、
おむすび屋さんで結び手として真剣におむすびに向き合ってからは、『おむすび=手軽』という考えはなくなりましたからね。笑
その手間を知っているからこそ、目の前にあるおむすびとの一期一会を楽しめるようになりました。
おむすびマンくぼ田
omusubi man KUBOTA
最後に、素敵な話で締めくくっていただいてありがとうございました。笑
お茶の専門家なので、おむすびの話で締められるか心配だったんですが、完璧でした!!
竹田さん
Mr.Takeda
ありがとうございました!
名前 | 竹田勝平 |
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所属 | SAYAMA TEA STYLE |
出身地 | 兵庫県芦屋市 |
活動エリア | 埼玉県 |
好きなおむすび | 塩むすび |
好きなお米 | あきたこまち |
musubi_memo
インタビューをしているととても優しい雰囲気が伝わってくる竹田さん。
実際に、おむすび屋さんの店長時代に、お店に行っておむすびを食べさせてもらったこともあるのですが、その優しい人柄がおむすびにも伝わって、ほっこりした気分になれる、そんなおむすびを結んでくれます。
これからは、またお茶の世界でも活動されていくということで、そんな優しい竹田さんのお茶も飲んでみたいなぁ〜っと思わせてくれる、そんなインタビューでした。
インタビュー&編集:おむすびマンくぼ田
竹田さん、こんにちは。
今日は取材よろしくお願いします!